504 浄土寺 浄土堂
平家による南都焼き討ちにより、東大寺は大仏殿など主要建築物の殆どを焼失(1180年)、俊乗房重源が大勧進職に任命、大仏殿(1190年)を再建。また、伊賀、紀伊、周防、備中、播磨、摂津に別所を築き、信仰と造営事業の拠点とした。
大仏殿はその後に焼失(1567年)し、その再建によるものとしては南大門(1199年)が現存。
浄土寺は、重源により鎌倉時代(1192年)兵庫県小野市に創建された東大寺の播磨別所。
桁はずれに巨大なものを構築すること、いっさいの連続性を絶ちきること、みたことのない光景を現出させることで、末法の世に民衆の熱狂を牽引する。
純粋幾何学形態の特徴をもつ大仏様(宋様と和様の折衷)は、重源による再建の間の25年だけに限られる。
革命期の直前には純粋幾何学形態に取り付かれる建築家(重源、ブルネッレスキ、ルドゥ、ロース、レオニドフ、フラー)が出現する。建築的形態そのものとして自立し、いっさいと断絶したような建築を提案しながら、革命が成就すると、急速に排除され、忘却される。
磯崎 新 建築における「日本的なもの」
周囲より一段高くなった丘陵に伽藍は、軸心角度を真西より約9度北に傾き、東側に薬師堂、西側に浄土堂が対面するように配置され、中央に二つの足型(毘盧遮那仏)の池、北側の奥に八幡神社、手前に拝殿、南側にはかつて文殊堂が建っていた曼荼羅の構図をもつ。
国宝の浄土堂(阿弥陀堂)は、一間四面又は方三間(6mグリッド)、百八十尺四方、反りのほとんどない宝形造り(正方形のピラミッド状)、本瓦葺。
中央の間には雲形台座の上に高さ5.3m(丈6)の快慶作の阿弥陀如来立像、両脇には高さ3.7mの観音菩薩、勢至菩薩が東向きに配置され、阿弥陀三尊像の後の壁は全面開放できる蔀戸(和様)で全て開放できる。
床は外光を反射させるために板張(和様)、内壁は白で無装飾、天井はなく、床、壁からの反射を最適に拡散反射できるの6寸勾配(約30度)で、屋根裏を化粧仕上げ、柱・梁は影が出ないように丸く、像の周囲は僧と群衆による念仏に満ちるようにがらんどうの一体空間になっている。
夕方に陽が西に傾きかけたころ、阿弥陀三尊像の背後の開口部より差し込む外光が床面で拡散反射し、壁、化粧屋根裏を照らして、さらに化粧屋根裏から再度拡散反射する。
それは本来、逆光になる阿弥陀三尊像が、満ち溢れる光に包まれた姿で浮かび極楽浄土が現れる。
堂内撮影禁止にてパンフレットより
今日の草花は、苧環(おだまき)。
ご訪問ありがとう。閉じる前にクリックお願いします。
大仏殿はその後に焼失(1567年)し、その再建によるものとしては南大門(1199年)が現存。
浄土寺は、重源により鎌倉時代(1192年)兵庫県小野市に創建された東大寺の播磨別所。
桁はずれに巨大なものを構築すること、いっさいの連続性を絶ちきること、みたことのない光景を現出させることで、末法の世に民衆の熱狂を牽引する。
純粋幾何学形態の特徴をもつ大仏様(宋様と和様の折衷)は、重源による再建の間の25年だけに限られる。
革命期の直前には純粋幾何学形態に取り付かれる建築家(重源、ブルネッレスキ、ルドゥ、ロース、レオニドフ、フラー)が出現する。建築的形態そのものとして自立し、いっさいと断絶したような建築を提案しながら、革命が成就すると、急速に排除され、忘却される。
磯崎 新 建築における「日本的なもの」
中央の間には雲形台座の上に高さ5.3m(丈6)の快慶作の阿弥陀如来立像、両脇には高さ3.7mの観音菩薩、勢至菩薩が東向きに配置され、阿弥陀三尊像の後の壁は全面開放できる蔀戸(和様)で全て開放できる。
床は外光を反射させるために板張(和様)、内壁は白で無装飾、天井はなく、床、壁からの反射を最適に拡散反射できるの6寸勾配(約30度)で、屋根裏を化粧仕上げ、柱・梁は影が出ないように丸く、像の周囲は僧と群衆による念仏に満ちるようにがらんどうの一体空間になっている。
それは本来、逆光になる阿弥陀三尊像が、満ち溢れる光に包まれた姿で浮かび極楽浄土が現れる。
堂内撮影禁止にてパンフレットより
今日の草花は、苧環(おだまき)。
ご訪問ありがとう。閉じる前にクリックお願いします。
by million-lion
| 2009-05-08 18:01
| 5 古典建築・現代建築
設計事務所の造形工房、千原利英のブログ
by MILLION-lion
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
記事ランキング
お気に入りブログ
くいしんぼな 一眼さん造形工房
まいづるRB ブログ
住まい倶楽部
まち・みち・みせ
最新の記事
熊本洋学校教師ジェーンズ邸 |
at 2016-04-18 23:14 |
海の博物館 内藤 廣 |
at 2016-02-14 14:21 |
神奈川県立近代美術館 鎌倉館.. |
at 2016-01-31 10:20 |
硝子の茶室 |
at 2016-01-02 20:38 |
ならまち 鹿の舟 囀 設計 .. |
at 2015-12-21 22:12 |
20151206醍醐寺晩秋 |
at 2015-12-06 21:18 |
東大寺東塔院跡発掘調査 |
at 2015-11-29 21:34 |
大仏池 |
at 2015-11-24 21:20 |
彼岸花 |
at 2015-09-16 21:31 |
東大寺南大門の主 |
at 2015-09-13 20:33 |
以前の記事
2016年 04月2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 06月
2014年 01月
2013年 10月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
カテゴリ
全体0 作品・計画
1 設計・エレメント
2 暮らし・デザイン
3 食・店・酒
4 庭園・花鳥風月
5 古典建築・現代建築
6 パッサージュ
7 西の旅・東の旅
8 芸・美・文化・歳時記
9 シネマ
未分類
タグ
四季(14)自然(11)
物語性(11)
花(10)
伝統(9)
宮津(9)
丹下健三(8)
マジックアワー(8)
住宅(7)
京(7)
大阪(7)
建築(6)
陶芸家(6)
河井寛次郎(6)
夏(6)
丹後半島(6)
村野藤吾(6)
燈籠(5)
四君子苑(5)
桂離宮(5)