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495.8 桂離宮 笑意軒

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【笑意軒】は、非常に格調の高い数奇屋で、静かに読書を楽しむところであったらしく、他の御茶屋とはだいぶ趣が異なり、亭と呼ばず軒と呼ぶ。
外観はなんのてらいも無く伸びやかで、気負うことのない佇まい、室内はあでやかで桂離宮の中で最も数奇屋らしい数奇屋で、拝見できることを一番楽しみにしていた。
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生垣の端に区画を明瞭にする[三角燈籠]
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【笑意軒】に平行に一直線の長い【霰零し】の[延段]【草の飛石】は、何の作意的模様もなく、自己主張もないことから【笑意軒】の長い軒を引き立てている。
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右から勝手口の大阪土壁、半間後退して次の間の竹連子窓、さらに半間後退して口の間の開口部、そこから一間後退して一の間の下地窓と納戸の連子窓の意匠効果を出している。
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掛け出しが深いので口の間の小壁(鴨居の上にある壁)が大きく、【四季の窓】と称される六つの丸窓がその大きさを引締めている。
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一の間と納戸の北壁面で大阪土が塗られる。左側の連子窓は納戸の明り取り、右側の濡縁上の横長の下地窓は、3畳敷き一の間の明り取り。このような窓の組み合わせが、硬軟を旨く使いこなす桂のデザインパターン。
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次の間の袋棚の小襖は絹地に雲形の模様を描いている。
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口の間から見る中の間。中連窓の景色の美しさ、その下のビロードの腰張りは室をつややかにする。



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by million-lion | 2009-06-29 20:19 | 5 古典建築・現代建築

495.7 桂離宮 園林堂

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【賞花亭】を出ますと、古書院が正面に見え、この付近が見学コースで書院を見るには、一番の構図です。
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【園林堂】の前の土橋、幅は同じですがここが一番長い。
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飛石道は、【園林堂】脇の正方形の切石の沓石と葛石で仕切り、結界を示す。
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【賞花亭】の山裾に、本瓦葺方形(ほうぎょう)造の持仏堂が【園林堂】(おんりんどう)です。
八条宮家代々の位牌と画像を安置していた。
離宮全体の雰囲気と異質なので見学者には不人気のようです。
※桂離宮は、書院の裏側などは瓦葺き屋根ですが、瓦葺き屋根を庭園からの眺めを極力排除し、【園林堂】だけが、仏堂なので瓦葺き屋根、それが雰囲気を異質と感じるのでしょうか。
ちなみに瓦葺き屋根は、宮廷・神社建築では用いることは、まれです。
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by million-lion | 2009-06-27 14:31 | 5 古典建築・現代建築

495.6 桂離宮 賞花亭

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【松琴亭】から、【賞花亭】への[土橋]までは左が山で遮断され、右が池で開放されている。
[土橋]の手前は四つ又で【賞花亭】、【螢渓】、【万字亭】、【松琴亭】への分れ道でそれを四又路と感じさせないように[飛石]が打たれている。

【螢渓】は太木と寒竹の群生で、渓谷に迷い込んだ趣をなすが、廻遊のコースから外れる。[土橋]を渡って中島へ木で遮蔽された小高い丘の斜面を[飛石]に導かれる。

どの書物にも、途中に【水蛍燈籠】があり、とあるが記述のみで写真がない。
私も撮れていない。
あれほど気が付くものにはシャッターを切ったのに、どんな燈籠なのか凄く知りたい。

進みます。登りきったところにあるのが、【賞花亭】
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今出川本邸の[龍田水]という井戸のそばにあった建物を移築したといわれ、春は[吉田屋]、秋は[龍田屋]の暖簾が掛けられるはず、ですが掛かっていません。

茶亭というより峠の茶屋。かつて【賞花亭】の付近は花林の風致とし築造されたもので、桜樹が植えられていたようです。

【御殿】【月波楼】【松琴亭】【神仙池】【御池】を【賞花亭】に座して全園を眺望できる。
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by million-lion | 2009-06-25 17:55 | 5 古典建築・現代建築

495.5 桂離宮 松琴亭

【御腰掛】の[苑路]をから【松琴亭】へ。【州浜】の横を通り、【天の橋立】を眺め、【白川石橋】を渡ると【松琴亭】の横で、茶室のにじり口の正面に着く。池泉になじむように低く建つ。もとは、朱色の太鼓橋が唯一の道であったようですが、天の橋立の景を取り入れたときに撤去し、【松琴亭】から見る【天の橋立】の眺めをよくした。
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【州浜】
【御腰掛】の[苑路]から鼓の滝を過ぎ、小さな自然石の石橋を渡ると辺りは急に開け汀にでる。【天の橋立】ごしに、【松琴亭】が望まれる。小石を並べた【州浜】の先端には、かわいい[置燈籠]【岬燈籠又は夜雨燈籠】が利かせている。その先は、【高砂の松】。
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【白川石橋】
【天の橋立】を過ぎる【松琴亭】の茶室前の白川石の一本橋が架かる。長さ6m、幅65cmで、厚さは中央で33cmもある大きな石。横には、遠州好みのくの字形をした大振りの石の前方に3個の石を並べ、その脇に小さな石を1個配した【流れ手水】。
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【松琴亭】の茶室
右端ににじり口を設け、にじり口上に横長の大きな竹連子窓とその上の中央に下地窓を配している。この二重に設けられた独特な窓のしつらえは他に類を見ない。左側に2段の刀掛、その脇の下地窓は床の墨蹟窓である。茶室は[三畳台目]で、遠州好みの[八窓]。
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[一の間]と[二の間]はともに書院風で障子を開放すれば室と庭がつながり一体化し、先には、御池の神仙島の姿が眺められる。襖の白とブルー、白とグレーの加賀奉書の市松貼りは色あせても、なお新鮮で美しい。
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【松琴亭】一の間 西土庇から室内を望む
一の間は、鉤の手になった十一畳敷き。床と厨子棚、その下に北に面して構え、折れ曲がって西面した石炉を設け、その上方に袋棚を構えている。一の間と二の間境の欄間は麻幹(麻の皮をはいだもの茎)を並べた数奇屋風の欄間がはめ込まれている。召合せ金物から、もとは二の間が主で、一の間が鎖の間と考えられる。
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[荒小砂利敷]仕上げの深い[土庇]が廻っていて北の濡縁に張り出しの先には、カマドが造られ料理ができるようになっている。また、料理は[御殿]の調理場から船で運ばれ、[一の間]の長いろりで暖めて出される。
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【松琴亭】では、西に沈まんとする月に向かって琴を弾いたという。


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by million-lion | 2009-06-23 17:52 | 5 古典建築・現代建築

416 夏至

二十四節気の1つ。旧暦五月中。
太陽黄経が90度のとき、北半球では一年中で一番昼が長く夜が短い日。
恒例のマジックアワー
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ブログなので、たまには近況を

先日まで、[ロラン・バルト]の【明るい部屋】-写真についての覚書-読み終えました。
1980年に書かれた遺作。
建築家の原広司は、バルトの著書の中でひときわ優れ、おしなべてみても、ここ数年間の間で傑出している、という。
単なる写真論ではなく、私的自叙伝、私小説、哲学的瞑想等の感じ、写真の意外な解釈を興味深く読みました。
いつか、アップするつもりです。

今は、NHKブック別巻 思想地図 vol.2 特集 ジェネレーション 東浩紀・北田暁大編 を読んでいる途中です。
Ⅰ家族の現在
●毀れた循環-戦後日本型モデルへの弔辞 本田由紀 5.もし間に合うならば
※リチャード・セッネトは、「新資本主義」に抗する三つの価値として、物語性(ナラティブ)、有用性(ユースフルネル)、職人技(クラフトマンシップ)を挙げる。
●それでも、家族は続く-カウンセリングの立場から 信田さよ子 浮かび上がる脆弱な夫婦関係
※家庭内暴力など家族崩壊で、長期化していく最大の要因は、父親たちのあまりの無理解や無関心にあると断じたい。逆に言えば、父親がカウンセリングに訪れ、子どものために苦労しながら妻と協力体制を築いていく夫婦の場合、子どもの問題はほとんど解決するといって過言ではない。鍵を握るのは本人ではなく、父親なのである。
Ⅱ労働と創造の新しい関係
●ゲームプレイ・ワーキング-新しい労働感とパラレル・ワールドの誕生
※オンラインゲームをプレイするだけで、運営者側がその莫大な人数のゲームプレイヤーの行動を集約してある種の作業に変換し、さかのぼってゲームプレイヤーにも報酬が得られる。

等々、今はここまで、関心する内容です。
vol.1 特集 日本 vol.3 特集 アーキテクチャ
と読んでいくつもりです。
でも、リチャード・セッネトの著書も読まないと
これらも、いつか、アップするつもりです。

大阪府建築士会の見学会で念願の西本願寺の対面所、飛雲閣を拝観できました。
ただし、内部撮影は個人使用のみで許可、ブログで写真を公開できません。残念。
許可される範囲の写真で近日中にアップするつもりです。

最後に、現在、私の人生で重大かつ特殊な手続きを遂行中、色々と手間が掛かります。

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by million-lion | 2009-06-21 17:24 | 4 庭園・花鳥風月

495.4 桂離宮 廻遊

お待たせしました。
では、見学の順路に従って廻遊します。

【御幸道】に直交する[小石舗装]の南南東へ直進する[苑路]を【紅葉馬場】と呼ばれる。
右が紅葉山、左が【御腰掛】を遮蔽する山の尾根で挟まれて切り通しを通るようにしてこの道は直進する。
その先端に朱塗りの高欄の大橋が架かり、対岸の【松琴亭】と結ぶが現存しない。
でも大橋の余勢が怪しく残っている。
【紅葉馬場】の西南(右手)は紅葉山から尾を引いた小高い尾根で、端部近くでもう一度盛り上っており、御池を隠している。
その東北(左手)は【蘇鉄山】でこの両側の細長い山で囲まれた東南に抜けた通路は【御幸道】と同じで長い空間(スペース・室)と感じる。
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【紅葉馬場】から【松琴亭】の方向を望む。【御幸道】と同じ青黒い霰石を中高に敷き詰めた道。
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【御腰掛】への入口の燈籠。
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【御腰掛】から入口を見返す。ここの[飛石]は大振りで雄大、【蘇鉄山】の豪快さと対抗か。
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問題の【蘇鉄山】
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【御腰掛】に平行して長い[延段]の北端に[角違い二重桝形]【涼泓の手水鉢】。方形の石から45度に交わる方形を2段に彫った遠州好みの二重桝といわれる、その手前の前石は遠州好み独特のくの字形の大振りの石を据え、[飛石]1個を置いて[延段]に続く、手水鉢の左奥には[生込燈籠]を据えて待合の添景としている。
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右手が【紅葉馬場】を隔てる山。
左手の刈り込み壁は鋭角に折れて【御腰掛】の裏山へ上る[飛石段]が打たれている。
低い寄せ燈籠がアイポイントとして終点の決め手となる。
勢いよく一直線に延びる[飛石]【行の飛石】も【蘇鉄山】との対比と思われる。
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【御腰掛】[外腰掛]は、【松琴亭】の待合い腰掛。柱に皮付きの檪(クヌギ)や棈(アベマキ)を用いた寄棟造りの茅葺。屋根裏は太い竹の化粧棰に吹寄せの忍竹の小舞を並べ。その上に葭の縦簀張りの化粧裏を施した化粧屋根裏天井。[土庇]に[飛石]が打たれ、前面と両側面を開放し、遠州好みの砂雪隠が構えられている。
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by million-lion | 2009-06-19 19:35 | 5 古典建築・現代建築

415.4 菖蒲まつり その5 芭蕉 

時鳥啼くや五尺のあやめ草 芭蕉
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by million-lion | 2009-06-18 17:28 | 4 庭園・花鳥風月

495.3 それぞれの桂

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●タウト
桂を「目を悦ばす美しさ」と表現、近代主義の機能的建築としての美を発見したと賞賛する。また、天皇的「ほんもの」、それに対し将軍的な表現を「いかもの」とした。以降、近代主義者の読解は、構造材・素材の表し、直線材を自由に組み合わせた空間構成、非対称な組み立ての美しさ、装飾性の払拭、モンドリアン風の抽象空間など、近代主義の原理を完全に充足し、西洋の近代建築のモデルとした。

●グロピウス
桂を鑑賞し、親しみの持てる空間、石畳、植え込みなどは、人を魅了するほど美しいが、松琴亭前庭の石組など、細部に遊びをしすぎていることは、ときに空間のとらえ方の連続性や統一性を実体としてとらえている。

●コルビュジェ
茶室や数寄屋の内部は細い線が多すぎてうるさいと感じ、日本建築に興味を示さず、桂を案内されているが評価した気配はなく、ノートのスケッチは卍亭だけを記している。
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●伊藤忠太
桂離宮内の小堀遠州作と称する茶室を、世人は深く推奨するが、之は遠州の作ではなく、桃山時代の茶室に比較すれば、著しく見劣りするのは止むを得ず、又、桂離宮などをパルテノンと同等に比較するような人物は、たいした建築家ではない、とタウト断じた。

●堀口捨巳
近代主義的なものと民族主義的なものに架橋する理論を探し、近代的なものと民族的なもの、西洋的なものと日本的なもの、と相容れない要因の相互に架橋する理論を証明しようとした。
数々の詩歌の参照された、文学的アリューションの織り成す空間としてもタウトが違和感をもった蘇鉄山、朱塗り大橋も、白藍石市松模様も、必要な構成要素と想像した。

●丹下健三
近代主義的、王朝風「桂」像(弥生的性格)を否定して、そこに近代さえも超克した民衆的な「桂」像(縄文的性格)を発見しようとした。
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by million-lion | 2009-06-17 19:00 | 5 古典建築・現代建築

415.3 菖蒲まつり その4 古今集

郭公なくやさつきのあやめ草あやめもしらぬ恋もするかな
古今集 読人しらず
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by million-lion | 2009-06-16 22:41 | 4 庭園・花鳥風月

415.2 菖蒲まつり その3 姿

大別すると、江戸系、伊勢系、肥後系の3系統に分類される。
城北公園の菖蒲園では、250種類が見られる。
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霍公鳥 待てど来鳴かず 菖蒲草 玉に貫(ぬ)く日を 未だ遠みか 大伴家持

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by million-lion | 2009-06-15 13:14 | 4 庭園・花鳥風月


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